次に、言葉を話すために必要な機能についてお話します。
まず、言葉を話すためには、言葉を聞いて理解するために必要な4つの機能を獲得していることが前提になります。言葉が聞けていなければ、話すことはできません。
それに加え、話すためには、次の3つの機能が必要になります。
- 言葉の音の想起
- 構音運動企画
- 構音運動
言葉の音の想起、から説明していきます。
機能① 言葉の音の想起
この機能は、何か話をしようとして、物のイメージを頭に浮かべた後、その音を想起する機能です。
例えば、うさぎの形をイメージしながら、または、うさぎの実物を見ながら「ウサギ」という言葉の音が想起できることを言います。
ここで注意したいのは、音を聞いて、物をイメージすること
と 物をイメージして、音を思い出すこと には別の機能が働いている、ということです。
mimi
これは、言葉の音の想起がうまく機能しないことに似ています。
言葉を聞いて理解するために必要な4つの機能が獲得できていれば、言葉を聞いて、物をイメージすることができます。しかし、物をイメージして、言葉の音を思い出すためには、言葉を聞いて理解する機能に加え、言葉の音を想起する機能を獲得できていなければなりません。
mimi
また、言葉の音の想起 機能の一部には、音韻認識 の機能も含まれています。
ウサギの絵を見てぼんやり(うさぎ)の音のイメージを浮かべた後に、音韻認識を使って「ウ・サ・ギ」と音を正しく並べる必要があるためです。
mimi
aseru
次は、構音運動企画 について説明します。
機能② 構音運動企画
言葉の音の想起ができた後、言葉を言おうと口や舌を動かそうとする機能です。
aseru
mimi
そして、『運動企画』とは英語だと Exercise planning で、運動するために脳が計画を立てることです。
運動企画がうまくいかないと、例えば、食べる時などに口を開けたり舌を動かしたり等、ほとんど無意識の動きはできるけれど、意識して口を開けたり、舌を思ったとおりに動かすことが難しかったりします。
お子さんによっては、笛を吹くために笛を口にくわえたり、思ったとおりに息を吐くことが難しい場合もあります。
発音するためには、口や舌を動かしながら息を吐かなければなりません。それらを連動させて動かそうと脳が計画を立てることも運動企画の役割です。
mimi
発話が少ないお子さんに、口形模倣はもちろん、動作模倣を促すことも有効なのです。
次は、構音運動についてです。
機能③ 構音運動
これは、発音するための筋肉の動きに関する機能です。
口がしっかり閉じなければ「パ」という発音はできません。
「タ」は舌を上歯の裏につけて、勢いよく息を吐かなければ音が出ません。
口や舌の筋肉の強さ、口や舌の運動の範囲などが保たれているかなどが重要になります。
mimi
しっかり噛んで食事をすることも大事ですね。