発語のないお子さんの訓練には、ABAなどの手法を知っていることが大事だと思います。
しかし他の療育者と話していて、ABAの話題になると、「ABAは嫌い」と言う方が何人かいらっしゃいました。
ABAに誤ったイメージを持っているのか、ABAに出てくる用語が理解しにくいのか、理由は様々でしょうが。
私は、人間が生きていくこと自体、何かの目的に向かって行動し、何かの欲求を満たすために行動し、何らかの不快を解消するために行動しているので、ABAの考え方は自然なものであるように思います。
ただ、それを訓練に取り入れるときは、「なるべく無理がなく自然なように準備すること」と「愛情を持って行うこと」などが大事なのかなと思います。
ABAとはこういうものなのかな?と、はじめよう おうちセラピー をみて参考になったところを紹介します。(もし、著作権違反と思われることろがありましたらご連絡下さい。また、ABAをご存知の方で、私の解釈の誤りに気づいた方はご指摘ください。)
『第3章:初期言語理解スキルの発達』の『従命行動に対するモチベーションを上げる』から引用します。
子どもが指示の内容を理解していても、応じるとは限りません。指示に応じようという意欲がなければ応じません。 |
発達検査や言語検査をやったときに、絵カードを指さししてくれない子がいます。でもそれは言葉の理解が低いのではない可能性もありますね。この点はABAの勉強をしていないと判断を誤ることがあるのではと思いました。
外に出たい子どもは、「靴を履く」という指示に応じるかもしれませんが、楽しい遊びの真っ最中に、買い物に行く親から「靴を履いて」と指示されても、遊び続けたい気持ちが強いため、指示に応じないでしょう。(中略)ですから、練習の初期段階においては、子どもが楽しい活動に没頭している時は指示を出すのを避けるようにします。 |
これ、結構重要なことですが、言語訓練や療育現場でなかなか守れないことだと思います。ついつい療育者の都合に合わせてお子さんに指示を出してしまうこと、ありますね。
また、強力な強化子(例:子どもが欲しい物や好きな遊び)が待っていることを子どもにあらかじめ明確に示します。そして、簡単な指示から始めることが重要です。 |
この考えで、ABAは『ご褒美』をあげるんですね。決して調教ではないと思います。
あらかじめ明確に示して、お子さんの高度な『予測』能力を使っていますよね。
見通しをもたせる(構造化①) の記事で、最後に好きなことをやると約束することにしたのは、この本を読んで思いつきました。
まあ、この辺りのことはABAでなくても、TEACCH でも、インリアル でもやっているのかもしれませんが。
次は、『名前への反応』から引用します。
名前を呼ばれて近寄れるようになったら、子どもと強化子を持った相手との距離を1メートル程度から少しずつ距離を延ばしていきます。 |
この辺、汎化させるためには必要なんですよね。『スモールステップ』ですよ。でも、ここ、愛情を持って行わないと意地悪になってしまうと思うんです。おそらく、ABAは、意地悪な性格な人だと子どもからもイヤらしく見えちゃって、うまくできないんじゃないかな?と思います。
どの距離でも近寄れるようになったら、次の段階では、徐々に強化子を隠します。例えば、食べ物や飲み物の強化子を使う場合は、一瞬だけ子どもにその強化子を見せた後に指示をし、強化子を背中に少し見える程度に隠します。 |
これも、自然にやらないと意地悪になってしまいますよね。実施するのは難しそうですが、『名前への反応』を身につけるさせるためには確実な指導方法だと思います。
このようなテクニックを知らない支援者が、「ABAは嫌い」とか、保護者に「様子を見ましょう」とか言ってしまうのだと思います。
発語がないお子さんの訓練に役立つ本
あれ?失礼します。「ABA=ご褒美を与える訓練法」だと思っていませんか?
このページをお勧めします。分かりやすいので、ぜひぜひ読んでみてください。
http://www.midori-th.com/aba4.html
コメントありがとうございます!
ご褒美は、好きな遊び、の意味で書きました〜。(見通しをもたせる、の記事の引用で)
ちょっと書き方がまずかったですか?
参考のサイト、じっくり読ませていただきます!