3歳で2語文を話さない子どもの言語訓練

定型発達では、2歳児で2語文を話します。
3歳になっても単語レベルの発話しかないお子さんは、言語発達に遅れがあると考えられます。
原因は様々考えられます。2歳で単語を話さない子ども の問題点がクリアできているかチェックします。3歳では更に、次の点も考慮します。

ことばの理解力は保たれているか?

2語文を話すためには、形容詞や動詞を知っていないといけません。
「ママ来た」「ごはん食べる」「あっち行く」「ぼーるない
「バナナおいしい」「おてて痛い」「いっぱいある」
2語文を言っていなくとも、形容詞や動詞を単語で言っていたり、大人が言った形容詞や動詞を理解しているお子さんは間もなく2語文を話すようになると考えます。
形容詞や動詞の理解があいまいなお子さんの場合、日常生活で次のようにします。
子どもが発した単語に対して、大人が形容詞や動詞をつけて聞かせます。
子「ブーブ(車)」 : 大人「ブーブ来たね」
子「ぼうし」 : 大人「帽子かぶろう」
子「ごはん」 : 大人「ごはんおいしい」 「ごはん食べよう」
子「くっく(靴)」 : 大人「くっく履く」
参考までに、
形容詞3つ(大きい、長い、多い)のうち、2つ理解できる年齢は2歳前半、3つ理解できる年齢は3歳前半、
色名5つ(赤、青、黄色、緑、黒)のうち、4つ理解できる年齢は2歳後半と言われています(言語・コミュニケーション発達スケールより)。

単語ははっきり言えているか?

単語がはっきり言えていない子どもは、言葉を頭の中に記憶することが苦手であったり、日本語を1音ずつ区別して聞き取ることが苦手であることが多いです。
4文字程度の単語(ひこうき、ライオン、おとうさん、等)を復唱させて、最後まで言えるか、また、1音1音区切って言えるかを確認します。復唱を何度促しても、次のようにしか言えない場合、
ひこうき:「こーき」
ライオン:「おん」
おとうさん:「おーさん」
音を記憶したり、音を区別することが苦手である可能性があります。

この場合、童謡をゆっくり歌って聞かせ、一緒に歌うよう誘います。次のように語の1音に対して音程が明確な歌が好ましいです。
ぞうさん  : ぞーお、さん、ぞーお、さん、
チューリップ: さーいーたー、さーいーたー、
きらきら星 : きーらーきーらーひーかーるー、

また、単語をはっきり聞かせられる絵本を読み聞かせすることも有効です。
だるまさんシリーズは子どもが喜ぶおすすめの本です。体を揺らしながら「だ、る、ま、さ、ん、が」と読んであげると日本語の音を体で覚えることができます。その他、果物や野菜など身近なものの単語だけが書かれている絵本や、短めの文章の絵本がおすすめです。なお、その中でも、文字が大きく書かれているものがおすすめです。文字を一つずつ指で押さえながら、発音していくと、音の区切りが理解しやすいです。
子どもがどんな本に興味を持つか最初はわからないので、図書館でいろいろ借りてみるとよいです。
一般的に幼児におすすめの本として売られている本であっても、言語訓練で使用するには文字が多いな、文章が難しいなと感じるものがほとんどです。3歳であっても1、2歳向けの本がいいです。

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