発達性発語失行のお子さんは見過ごされてしまうかも

mimi

発達性発語失行『だけ』のお子さんは、幼稚園や保育園では見過ごされてしまう可能性が高いのではないかと思っています。
それはどうしてですか?

aseru

mimi

クラスの中で集団活動するときは状況判断しながらみんなの流れに乗っていけるし、言葉を発しなくても意思表示できるからです。不明瞭でよく喋るお子さんのほうが、園で発音を問題視されることが多いように思います。発話を避けて非言語コミュニケーションを円満にとっているお子さんについては言葉の心配をされることが少ないのではないか?と思うからです。
保護者も気づきませんか?

aseru

mimi

保護者が気づいて私(言語聴覚士)に会う状況になるのですが…。その場合、園では問題ないですよ、と言われ、悶々とされている場合があります。
そうなんですか…。だいたい何歳くらいになったら気づくのですか?

aseru

mimi

保護者は1歳半検診で言葉が遅いと言われた時点で心配になります。そして2歳後半から3歳ぐらいになって『単語が不明瞭』『二語文がでない』との主訴で言語相談に来られる感じです。これらのお子さんすべてに発語失行があるわけではなく、音の認識(音韻意識)が弱かったり、口腔の筋力が弱かったりすることもあります。お子さんがその年齢で相談に来られる場合は、発話が苦手である原因となるものを説明し、それぞれに対してどのような関わり方をすればいいか、実際にやって見せたりします。

発話が苦手、の原因にもいろいろあるんですね。

aseru

mimi

そうですね。その原因の1つに発語失行が考えられる、ということです。年中(4歳)ぐらいになって発音不明瞭で相談に来られたお子さんが、実は発音だけでなく、口の開閉の真似も苦手だった、というケースもありました。このお子さんの場合、発語失行っぽいな、自宅で発音の真似させようとしても、真似を避けちゃうだろうな、と思いました。

実際、そのお子さんには訓練をしたのですか?

aseru

mimi

音韻意識の幼さ、口の筋力の弱さや、舌の動く範囲狭さ等の問題からくる構音障害であれば、4歳児ではまだ構音訓練するのは早いので訓練を先送りすることが多いです。でも発語失行のような症状だと思われたこのお子さんの場合は、なるべく早く口を意識して動かせるようにしたほうがいい、声を出す機会が増えるといいと思ったので、訓練を開始しました。

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