数年前でした。
脳に基礎疾患があり、発話がなく、自傷の激しいAさん(5歳)を担当したことがありました。
出された玩具は何でも後ろに投げてしまい、自傷も頻繁に起こりました。
でもある時、たまたま保護者が同席できず、私と二人だけとなりゆっくり絵本を読んだところ、こちらに目を向けてくれました。
Aさんと目が合ったのはその時だけでした。
Aさんは別の施設に通うことになり、以降、私の訓練担当はありませんでした。
あの時は、どう対応すればよいのかわかりませんでした。
障害の重いお子さんにはどう対応すればいいのだろうか。
そう悩んでいた時に、気づきとなった研修がありました。
この研修は、知的障害、肢体不自由のお子さん、自閉症のお子さん等について講義がありました。
どう関わっていったかの具体例を知ることができました。
このセミナーを開催している発達臨床センターでは、故、宇佐川浩先生の「感覚と運動の高次化理論」を基に療育をされています。
この理論は次の2冊の本に著されています。
感覚と運動の高次化からみた子ども理解
感覚と運動の高次化による発達臨床の実際
どちらの本も、読みこなすには時間がかかります。一度読んでも理解が難しいところもあります。
あくまでも理論なので、ちょっと宗教っぽい感じもします。
でも、とても参考になります。
発達段階に応じた教材と、その目的や教示のしかた等の記述もあります。
感覚と運動の高次化からみた子ども理解の最初の30ページは、障害児に関わる全ての人が読んでおきたい内容だと思います。
第1章 子どもを理解する難しさ
第2章 つまずきやすい行動とその発達的意味
のところです。
お子さん見るときには様々な視点を頭に入れておかなければならない、と気づかせてくれます。
第3章からはちょっと難しくなります。