一番真剣に育てなくてはならないのは言語

発語がまだないお子さん、机に座れないお子さんに言語訓練をするにはどうすればよいか、勉強しようと思って本を探しましたが、書店ではなかなかいいものに巡り合いませんでした。

ネットで中古の本も購入したところ、古い本のほうが勉強になりました。
これもその一つです。様々なネット書店では在庫なしと書かれています。

『障害児が喜んで取り組む 言語指導教材』磯部久子著(学研)

1983年 第1刷発行、1998年 第10刷発行 です。
でも内容が古いとは、私は思いません。
「障害児」や「ちえ遅れ」などの用語が今とは違うかな、とは思いますが。

この磯部先生は、養護学校の先生です。
はじめに、の文章を一部引用させていただくと、

『(小さい頃はA君くんもBさんも)生活の行動面ではよく育っていたが、ことばが全くなかった』
『(A君)の場合は、ちえ遅れの子どもの言語指導は、私にはお手上げの時代であった』
『ところが年月がたって(Bさん)の時代には、私も、ちえ遅れの子どもに一番真剣に育てなくてはならないのは言語である、と考えるようになった』
『(A君)は30歳になった。福祉作業所で仕事をしている、けれど会社には就職できない。ことばが慣れた人でないと通じないからである』
『(Bさん)は19歳。人に理解できる話し方ができ、よく気がつく娘さんである』
『私はいつも(Aさん)に申しわけない思いがしきりに去来する』

このように、ちえ遅れの(=知的レベルの低い)お子さんに言葉を教えることの大切さを述べられています。
1983年にです。
今は2020年です。もう30年以上経っていますけど、言葉を教える技術は進歩して十分知れ渡っているでしょうか?
言語聴覚士は、ちえ遅れのお子さんに言葉を教えることができているでしょうか?発語のないお子さんに言葉を教えることができているでしょうか?

もう手に入りにくい書籍ですが、内容についても少し紹介したいと思います。

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