2歳になっても発話がほとんどないお子さん。アイコンタクトが少ないお子さん。
声は出すけど何と言っているか分からないお子さん。
そういうお子さんに対してどんな言語訓練をすればいいのだろう?
小児の療育の仕事を始めた時に、すごく悩みました。
なぜなら、
言語聴覚士の訓練校ではそういうお子さんに対する訓練方法を教えてくれなかったし、
知り合いの言語聴覚士に聞いても、わかったような、わからないような??
自分で研修に参加したり、書籍を読んだりもしました。
本や研修で見た通りにやってはみるけれど、上手くいかない。
とある研修(参加費が1万円以上もする!もちろん自腹)で見たビデオ
セラピストが「みて!」と壁に張った絵を指差しすると、子どもがそこを見る。
子どもに注目を向けさせてから大げさにセラピストが「みて!」ということが大事。
私、真似してやってみました!
結果:お子さん、全くこっちを向いてくれません。
やってみて思うんですけど、いきなり「みて!」で振り向くなら、その子はまだデキるほうなんです。
私が携わるのは、それよりもっと難しいお子さん。
困った・・・。
そんな私を助けてくれたのがこの本です。
この本を読んで、なるほどーと思ったことが沢山ありました。
今まで受けてきた研修や読んできた書籍で、うっすーらと学んでいたことについて、『そういうことだったのか!!!』と感じさせてくれる内容です。
この本には、ことばが全くない、またはほとんどないお子さんを指導する際、お子さんに身につけさせるべきスキル(6大スキル)が示されていて、各スキルの指導例が詳細に書かれています。
指導には応用行動分析(ABA)の要素が含まれているようなのですが、ぶっちゃけ、私はABAがどんなものなのか詳しくは分かっていません。
しかしそんな私でも、この本に書かれている具体的指導例を理解することで、「プロンプトのフェーディング」やら「シェイピング」やらの単語の意味を、なんとなーく理解できたような気持ちになります。
先程の「みて!」がうまくいかないお子さんの場合、まずはお子さんが大人に近寄ってくるよう、大人がお子さんの興味を引く存在にならなければならないんですね。この本はそんな当たり前のことにも気づかせてくれます。
当たり前のこと。気づいていない言語聴覚士や療育/教育現場の先生、たくさんいると思います。ですので、私はこの本を言語聴覚士、療育に携わる支援者に特にお勧めします。
「(アイコンタクトに関して)子どもがブランコを押してほしい時、目を見てくれた時だけ押す」とか、動作模倣を促す場合にも、最初にどんな動作を指導するのか等々、私は考えてもいませんでしたので。
ABAとはこういうものなのかな?と参考になった本