私は言語聴覚士になってまだ数年目。
いつになったら一人前になれるのだろうかと思いながらやってきました。
でも今は、”誰のことも改善できる素晴らしい技術を持った言語聴覚士”
そもそも、そんな人、そんな技術、どこにもないのではないか?
と思うようになりました。
嚥下訓練や構音訓練であればすぐに成果が出せることもあるかもしれませんが。
言語聴覚士が携わる訓練は、成果が出るまで時間がかかることが殆どです。
すぐに成果が出たのであれば、それは技術がよかったからではなく、たまたま対象者が伸びる素質がある人だった、だけかもしれません。
だって、似たような訓練をやっていても、伸びる人となかなか変化がない人がいるんですから。
私は ”患者さんが伸びたのは自分の技術力があるからだ” と驕ってはいけないと思っています。
(そんな言語聴覚士、いるかどうかわかりませんが?)
これは訪問看護の仕事で失語症や高次脳機能障害の方に携わったこと、小児の療育で重度の知的障害や肢体不自由児に携わったことで思うようになりました。数年間、患者様やお子様に携わることでやっと変化が見えることがあると感じたからです。残念ながら思うような変化を見せられない方もいらっしゃいました。
なかなか変化しない人に対しても、少しでもいい方向に変化させるため、何をするか、何ができるかを見つけて準備し、実行できるのが一人前の言語聴覚士なのかな、と今は思っています。