本棚から、むかし買った本をみつけました。
脳の機能について書かれています。
言語聴覚士として脳の勉強をした今なら、本の内容をスムーズに理解することができます。
自分で驚くのは、この本を買った時は、脳のことを全く知らず、読んでもさっぱり分からなかった、ということです。
今はその、『さっぱり分からなかった』ときの心境が思い出せません。
※ちなみに、この本を買ったときは、将来自分が言語聴覚士になるとは夢にも思っていませんでした。
こんなふうに、以前は全く知らなかった、ということを忘れかけている時があります。
例えば、
- 喉頭と咽頭の位置関係。喉頭が前で、咽頭が後ろ。喉頭が気管に通じて、咽頭が食道に通じてること(嚥下機能の話を患者様やご家族に説明するときに、「あ!これじゃ難しいわ」と反省します。)
- 失語症の人は筆談も難しいこと
- 妊娠中も子どもはお腹の中で環境の影響を受けていること
- 子どもへの関り方が、子どもの成長に影響していること
- 不整脈が脳梗塞や心筋梗塞に影響すること
- 過去に会った人が側音化構音であること(個性だと思っていて、おかしい、とは思いませんでした。)
などなど。
自分の環境が変わると、考え方も変わるんですね。
これも、忘れかけていたことですが、学生の時に、言語聴覚士って変だな、と思ったこともありました。
言語聴覚士の人が「人間を観察するのが好き」と言ったのを聞いたときです。
私は当時、人をジロジロ観察するのは、失礼なことだと思っていました。
あ、今でもそれは失礼なことだと思いますよ(←忘れかけてました!)。
でも、言語聴覚士はそれが仕事なんですよね。介護スタッフも、療育スタッフも。
誠意をもってやらねば、と思います。