言語聴覚士が集まる、あるサイトで私が質問した内容を掲載します。
言語聴覚士がやっている訓練はすべてSSTに繋がると思っているんですが、保護者様や保育士さんが求めるSSTというのが何を意味するのか知りたいな、と思っています。具体的に困っている内容を聞けば、こんな練習がいいと思う、と応えられますが、SSTとひとくくりにいわれると、「あれ?何のことを言ってるのかな?」と私は思ってしまいます。
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こんばんは
今日は皆様にご相談させて頂きたく投稿させていただきます。
相談の内容は、未就学児のソーシャルスキルトレーニング(SST)についてです。
長文になり恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
私は非常勤をかけもちしていて、週2日は児童発達支援事業所に勤務しています。対象は未就学の知的障害、発達障害などのお子さんです。
私はST個別訓練を担当しています。お子さんにつきほぼ月1回の間隔です。保育士さんが集団療育(お子さんは週1回~)をされています。
先日、集団療育をされている保育士さんから、SSTについて勉強会をしたいので、助言してくださいと言われました。具体的には、集団療育の中でSSTとなるプログラムを提案してほしい、どんなこと注意すればいいのか教えて欲しい、とのことでした。
私は集団療育を度々見学していますが、療育の中で順番を守ったり、友達と協力したりする機会があるので、十分SSTの要素は取り入れられていると思っていたので、それを伝えました。
また、『認知・言語・運動プログラム 発達障がい児のためのグループ指導』(津田 望 監修/東敦子・小堀あゆみ 編)という本を持っていたのでそれをお貸ししました。保育士さんは、この本の存在を知らなかったそうです。
後日、この本を読んだ保育士さんは「一般的な保育園でなされているプログラムとほとんど変わらないんですね」おっしゃいました。私からは「その通りです。でも療育に来られるお子さんにはそのプログラムが難しい場合が多いです。お子さんが何でつまずいているのかを見つけ、お子さんが取り組みやすいよう、しっかり身に着くまで取り組めるようにすることが大切だと思います」と伝えました。
しかし保育士さんは、これだけでは満足されていないようで、これぞSST、というようなプログラムをやりたい様子なんです。話し合いの最後、私に、「SST絵カードがありますよね?あれをどういうふうに使うのか、次回教えてください」とおっしゃいました。その場では私は「はい」と答えましたが。
私は個別訓練でSST絵カードを使っていますが、わざわざ集団療育でカードを使うことはないのではないか?集団療育であれば、その場面を作って実演したほうがよいのではないか?カードだと知的の高い子(イメージできて、記憶できる等)でないと学習できないのではないか?と思ってきました。
私は、未就学児のSSTは、大人が言葉で云々説明することよりも、要求する・順番を守る・役割を交代する・他者の要求を手伝う・ルールを理解してゲームを楽しむ・共同で作業する・ごっこ遊びや役を演じるなど、目に見える、体を使うプログラムのほうがよいと思うのです。この考えは、『感覚と運動の高次化からみた子ども理解』(宇佐川浩 著)等を読んだりして思うようになりました。
言葉で「〇〇のときはどうしますか」「○○のときは何と言いますか」とかいうSSTは、未就学児には理解が難しく、本当に学習できるのか?と疑問に思ってしまうのです。そもそも、それを理解できるお子さんだったら、わざわざ療育でやらなくても、十分ソーシャルスキルのあるお子さんなのでは?とも思います。
ただ、言葉も大事ではあって、例えば、湯汲英史先生が著されている『関わりことば』などは、療育の中でも場面を作って、ことばの概念から教えていければいいなと思います。
前置きが長くなりましたが、
未就学児に対して、SST絵カードを使っている先生がいらっしゃいましたら、どのように使っているか等教えていただければ助かります。
よろしくお願いいたします。
(追記)
ここでのSST絵カードとは、
https://escor.co.jp/products/products_item_books_sst.html
などで販売されている、幼年版のものです。
集団訓練では使っていないけれど、個別訓練でこう使っている、というお話がありましたら、それも教えていただきたいです。