お子さんを前にして、言語訓練何しようと考えた時にまず考えることは何でしょうか。
お子さんのスキルを評価(アセスメント)することです。
言葉の理解の程度、発話の状態、相手への関わり(視線を向けてくれるか、一緒に遊ぶか等)について評価します。
「何ができて、何ができていないのか」を評価します。
そして、「まずは何ができるように目標を立てるか」を考えます。
言語聴覚士は、評価をするため、検査を使用することが多いです。
『国リハ式 <S-S法>言語発達遅滞検査』や
『LCスケール 増補版 言語・コミュニケーション発達スケール』などです。
これらの検査でお子さまの大まかな言語の発達状態を知ることができます。
しかし、訓練を組み立てるとなると、上記の検査だけでは大まかすぎて、何を訓練目標にすればよいのか戸惑ってしまうことが多いです。
そんな中、こちらの本が大変役に立ちます。
基本言語・学習スキルのアセスメント改訂版(ABLLS-R)
訪問リハビリで関わるお子さんの保護者様にも好評で、保護者様もご購入されています。
この本には、お子さんが身につけるべきスキルの内容が、項目ごとにとても細かく書かれています。
また、2歳から7歳まで、各年齢の平均的な達成レベルの一覧も準備されています。
例えば、言語理解の面では次の項目を含む57項目が挙げられています。
・自分の名前に反応する
・日常の状況下で指示に応じる(「手を洗って」など)
・多様な指示理解に応じる(「指示理解リスト」が付録についています)
動作模倣の面では次の項目を含む27項目が挙げられています。
・物の操作を伴う動作模倣
・手腕の粗大運動模倣(「模倣スキルリスト」が付録についています)
この他にも、視覚機能、音声模倣、要求、自発話などについても細かく項目が挙げられています。
この本は、保護者の方が手元に持っていても役に立ちます。
お子さんに対してどんなスキルが必要なのかがわかり、日々の生活中で、お子さんの成長に気づき易くなるようです。