ABAの誤った使い方ー発達を考慮していない

私はこのサイトで、時々ABAの話を載せていますが。療育の専門職の方や保護者の方にはABAに否定的な意見をおっしゃる方がいます。これは、その方たちが見てきたABAをつかった支援が、人の発達を無視したものであったり、誤った使い方であったりするからだと思います。

mimi

私も誤ったABAの使い方だな、と思ったことがあります。
どんな場面で思ったのですか?

aseru

mimi

ABAを実践している方が集まるグループがあって、その中の質問コーナーの履歴を見た時です。
いくつか不適切だな、と思ったことがあるんですが。例えば、『こどもに指しゃぶりをさせないようにするにはどうしたらよいでしょうか?』というような質問がありました。
回答や意見はどんな感じだったのですか?

aseru

mimi

子どもが指をしゃぶったら罰を与え、指しゃぶりをせずにその代わりとなるものを行ったら強化子を与える、という内容でした。まあ、ABAの理論的には正しい実施内容なのかもしれませんが、問題なのはその子が指しゃぶりをすることは、発達の視点からみると、とても自然な場合もあるということです。指しゃぶりをやめさせようとすることが良いこにならない場合もあるのです。

mimi

指しゃぶりの原因は感覚や認知の遅れが原因であることが多く、感覚を正常にするための支援、認知を高める支援、場合によっては発達を待つこと、が適切だと私は思っています。
そうなんですね。

aseru

mimi

なかなかその評価も難しいんですけどね。でもそのような状態のお子さんに対してABAでやめさせるのは不適切であると、私は思いました。
他にはどんな質問がありましたか?

aseru

mimi

『積み木を叩いてしまうのですがきちんと積ませるためにはどうしたらよいでしょうか』という質問もありました。
これも、回答としては、叩くときに罰を与え、積んだ時に強化子を与える、というものでした。
それは不適切なんですか?

aseru

mimi

発達の視点からだと、積木を叩くことは悪いことではありません。繰り返し叩く動作をすることで、『叩く』の概念を理解でき、そうすることで叩くことがなくなる、というのが発達からの視点です。
なるほど。じゃあ発達を知らないでABAを使うと、発達に悪い影響が出すんですね。

aseru

mimi

そうですね。出しゃばりな私はそのグループの中で、意見を書きました。でも特に反応はありませんでした(涙)。そのグループの人たちは、自分たちが想定する通りに子どもが行動してくれること、を重視しているようでした。
このようなこともあって、発達を詳しく知らない人がABAを使うと弊害があるな、と思いました。

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