「あけて」が言えるようになった話

「パパ」や「ママ」は言えるのだけれど、要求語を言わないお子さんに対して、「あけて」が言えるようになるための訓練をしました。
保護者からは、「おやつの袋を開ける際、『あけて』と言うように練習しているのだが、『あけて』の言葉を聞くと嫌がるようになった」と聞いていました。

お子さんが嫌がる、というのは、お子さんにとって難しいことなのだと思いました。
口頭で「あけて」ということは難しそうなので、まずはジェスチャを教えました。

好きなおもちゃ(このお子さんの場合トミカの乗り物)をジップロックの袋やタッパー等に入れます。
ジップロックは、すぐには開かないように、ジッパーの上の部分をハサミで切り落とします。

お子さんに、ジップロックに入ったおもちゃを手に取らせ、STに対して「あけて」のジェスチャをするよう促します。ジェスチャは、グーにした両手を合わせ、それを離すようなものにしました。
最初のジェスチャ表出は、保護者に子どもの手を持ってもらいながら介助つきで行いました。
介助つきでもジェスチャができたら、STがジップロックを開けて、おもちゃをお子さんに渡しました。

ジェスチャ指導では、子どもにジェスチャを見せながら真似させる方法もありますが、このお子さんの場合、見ただけでは真似ができなかったので(リンク:真似することが苦手)、保護者に介助してもらいました。そして徐々に介助を減らしてもらいました。

「あけて」の訓練は1回しか行いませんでしたが、自宅で練習してもらったら、数週間であけてのジェスチャができるようになり、その後「あけて」に近いことばが言えるようになり、徐々にはっきり「あけて」が言えるようになりました。

※このお子さんは、数回の訓練で発話が増えましたが、こんなふうにスムーズにはいかないお子さんも多いです。

ABAとはこういうものなのかな?と参考になった本

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