ある人の話によると、療育施設において、ABAは問題行動の消去に使われることが多いそうです。
私がABAを知ったのは、行動を身につけさせるために使う手法としてだったため、その話を聞いたときは意外でした。
でも、ABAのセラピストでもない人が、本当に正しくABAの消去を使うことができるのでしょうか?
消去には高度な知識と技術が必要だと思います。
通所施設や指導室など、限られた環境だけで消去できたとしても、生活全体に般化させるにはかなり難しいと思います。
例えば、ABAを使っている状況を見た人が、その先の般化された状態を確認できず、動物の調教のようにしか思えないのだとしたら、それはその場限りの使い方だと思います。
行動を消去させるには、その行動の前に代替行動を促し、それができるよう身につけさせなければなりません。
そしてそれを日常生活に般化させなければなりません。
消去を目的としてABAを使うのではなく、いい行動を身につけさせることに重点を置いて使って欲しいです。
たとえ消去が完璧にできなくても、いい行動を身につけさせるためにABAを使って欲しいです。
その視点があれば、「ABAは問題行動の消去に使われることが多い」とは言われないと思います。