某保育士さんに、「タ行がうまく言えず『つかっていい?』が『ちゅかっていい?』になってしまう4歳のお子さんがいます。どんな練習をしたらいいですか?」と質問されました。
恐らくですが、このお子さんは「た、ち、て、と」はうまく言えて、「つ」が「ちゅ」になるのかな?思います。
その場合、現時点では経過観察でいいと思います。もし、6歳頃でもその発音であるならば練習してもいいかなとは思いますが。
※もし、「た、ち、て、と」が言えないお子さんであった場合は、
こちらのページをご参照下さい。
日本語の発音の獲得年齢については、機能性構音障害の本や、インターネットにも記載されています。
こちらのpdfにも記載がありました。
https://core.ac.uk/download/pdf/229868803.pdf
これの3枚目に、『表 1 90%以上正しく構音される時期』という表があります。
年齢 3:0~3:5 のところに、 [tɕ] の表記があります。これは日本語の「ちゃ、ち、ちゅ、ちぇ、ちょ」の発音です。
また、年齢 5:6~5:11 のところに、[ts] の表記があります。これは日本語の「つ」の発音になります。[t]の表記は日本語の「た、て、と」になります。
さらには、備考のところに『s、 ts、 r は6歳半までには60%以上正とはならない』とあります。
ですので、6歳半の時点で、サ行、ツ、ラ行を全て正しく言える子どもは60%程度だと解釈していいと思います。サ行、ツ、ラ行の音は舌の先を丸めたり、上手に隙間を作ったりしないと発音できないので、獲得年齢が高くなります。
でも、現状、年長児になっても、『ちゅかっていい?』と言ってたら、気になりますよね。
言語外来でもそういうお子さんの相談を受けます。
その場合、例えばですが、単音で「つ」の発音を練習したりします。「つ」は舌の先を上歯裏の近くに付けた発音になります。「ちゅ」は舌の先をもう少し奥の方に付けた発音です。
単音で「つ」が言えるようになったら、あとは音の聞き分けの訓練をします。
ただしそのためには文字を教えることも重要です。
チューリップの最初の音は「ちゅ」、つみきの最初の音は「つ」であると区別できるよう文字を教えます。
その後に、「『つくえ』の最初の言葉は、『つ』かな?『ちゅ』かな?」等と選ぶ練習をします。
小学生になってひらがなを覚えて、「つ」と「ちゅ」が違う音だと認識できれば正しく言えるようになることがほとんどかな、と思います。
「さ」が「た」になったり、「か」が「た」になるお子さんの場合は、発音での舌の動きが全く違うので発音練習をしたほうがいいかなと思います。